隣の家の芝生は青い。こんな言葉を聞いたことはありませんか?
意味は、人は自分の持っていないものを羨む、持っている人を羨ましく感じるというもの。思い当たる節はないですか?
お金に困っている人が、セレブの生活に憧れる。引きこもりの人が、スーツを着て外で働くサラリーマンを羨ましく思う。勉強のできない人が成績優秀者を遠くに感じる。
自分にはできない、無理と思っていることをできる人。その相手を見た時、羨ましいという感情が芽生えてきます。自分にはないと感じるものは、何か輝いて見える。
才能や性格でも同じ気がします。
自分には才能なんてない。性格も暗い。あの人は明るくて仕事ができる。特別なことをやれる人も職場にいる。自分はなんて無力なんだろう。あんな才能があったり、違う性格だったら人生変わってたのかな・・・
では才能や性格って何でしょうか? 生まれつき決まっているもの?
ここはなかなか悩ましい所だと思います。特別な天才が持っているスキルや能力が才能なら、大半の人は才能などないってことになる。
生まれつき明るい性格や暗い性格になると決まっているなら、性格を変えるなんて無駄な努力になります。定義するのが難しい分野だ・・・
でも性格が変わったという話も聞く。才能がないないと思っていた人が、やってみると能力を発揮したり、別の可能性を見出したなんてこともあります。
60の手習いという言葉があるように、いくつになっても身に付けることは可能だというのもまた事実。
うーん、性格と才能って変えられるものでもあるのかな?
科学的には調べられないけど、実体験から言える点はある。それを混ぜて伝えますね。
目次
才能は幼少期にある程度決まる。性格は?

才能って何でしょう? 何かフワッとした概念な気がする。
コミュ力が高いという人がいます。人と話してて疲れなかったり、楽しめて相手も喜ばせる能力が高い人。社会では重宝すると考えられるものです。これは才能でしょうか?
辞書を引くと、才能は生まれつきのものとされている。生まれつきだから、持っている人はラッキー、ない人は可哀そう。そんなイメージがある。これは正しいのか?
私はそうは思いません。確かに生来のものが占める部分はある。でも後天的に磨かれたり変化する所も大きい。こう捉えています。では性格はどうか。
性格はその人らしさの言い換えかもしれません。その「らしさ」を形成するのは、生まれつきのものか。これは多分違うと思う。才能よりももっと後天性のもの。こう見ています。
もう少し掘ってみましょう。
三つ子の魂百まで?
三つ子の魂百までという言葉があります。幼少期に嗜好や才能は形成され、一生変わらないという意味。一面では正しいと言える。脳科学で3歳までに、人の脳のシナプス回路が作り上げられるという研究結果があります。
赤ちゃんの脳は、既に大人と同じ量の神経細胞(ニューロン)が出来ている。つまり、ニューロンの数は生まれた時から死ぬまで変わらない。
ニューロンは成長すると繋がる。成長に合わせて繋がりの数が増えていく。この繋がりをシナプスといい、ニューロン同士の信号の受け渡しをしている。
シナプスの作られ方によって、その人の得意不得意が大きく決まってくる。ある回路ではポジティブに前向きに物事を捉える傾向が強かったり、別の回路では色々なものに興味を持ち、慣れるのが早いという特性が出る。
シナプスが才能形成に影響する。これは生まれつきで、才能が決まってくる側面を表しているように見えます。
しかし、シナプスが作られるには外部の刺激が必要。お母さんが赤ちゃんに話しかけたり、絵本を読んであげる。お父さんが抱っこしたり遊んであげる。お兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒におもちゃで遊ぶ。
これらの体験が赤ちゃんの脳に刺激を与えます。この刺激がシナプスがどう組み上がるかに大きく作用する。
こう見るなら、才能も後天的な要素があると考えられます。スキンシップや語りかけで情緒を育てられる。情緒が育った感性豊かな子になる。
野菜の青臭さを嫌って食べなかった子が、調理の工夫で食べられるようになり、野菜嫌いや苦手意識を克服する。
程度の差はあれ、大人でも同じではないでしょうか。
初めからビールや日本酒など、お酒が好きだった人は多くない。いくら飲んでも苦手という人もいる。飲み方や肴を合わせることで、好きになったり普通に飲めるようになった。
パソコンやスマフォなんて触ったこともない人が、ちょっと使い方を教えられたら使えるようになった。
多分、才能は誰もが持っている。才能は後から磨いたり見つけることができる。あっても磨かないと光らない宝石のようなもので、時間や経験がそれを拓く。これが才能だと私は思います。
若年期の経験が性格に作用する
性格は後天的、即ちその人の体験や感想が形成に大きく作用する。
学生時代は明るかったのに社会人になってから再会すると、別人のように暗くなっていた。こんな経験はありませんか? これはなぜでしょう。
その人は元から俗にいう陰キャラで、学生時代は明るく振舞っていた。社会人生活ではそれを表に出すようになった。こういうことだろうか。もしかするとその通りかもしれません。
でもそうではないと思う。社会人になって仕事や生活に追われ、ストレスや人間関係で人格に悪影響が出た。その為、明るく振舞えた余裕やパワーが枯渇してしまい、暗くて疲れたようになった。こうじゃないでしょうか?
特に若年期は、人格形成に重要な時期とされている。
学生期にいじめを受けると一生残るトラウマや傷を心に負い、人付き合いが苦手になったり、人前で落ち着いて行動できなくなる。多感な青春時代に、経験したことや抱いた感情は、歳を重ねても記憶に残って影響を与える。
ストレスから鬱を発症した人が、治療を経て回復し、復帰する。悩み続けて苦しんでいた人が、解決したことで生き生きと振舞えるようになる。悩んだからこそ人の痛みを理解できるようになり、優しく強く接する人に変わる。
このように、性格は環境で大きく変化する。不変ではなく可変なもの。これが正しいと思います。
性格は変えられる。なら、環境作りに目を向けると、望みの方向に向かいやすくなるのではないか。
人付き合いが苦手。でも誰かと繋がりたいなら、同じ悩みを持った人とSNSやイベントで会ってみる。1人や少人数で仕事をしている職や職場に行ってみる。疲れきっているなら一旦休暇や休職を取り、療養に専念する。辛い時は人に頼ったり、甘えてみる。
環境を重視する。仕事選びだけでなく、性格形成にも言えることではないでしょうか。
生まれつきと諦めない。性格は変えられる。才能は見つけられる。

才能や性格は生まれつき。こう思っている人は意外と多いと思います。
でもそうじゃない。変えられるものや部分も多いと捉えている。生まれつきで片付けていたら勿体ない。
性格は環境が大きく関わっている。こっちは変えやすそう。では才能はどうだろう?
才能は見つけるというのが近い気がします。性格よりは先天的に決まってしまう要素もあり、どうしても変えられない部分がある。でも自分では気づけていないものが、自分の才能として眠っている。
これを見つけたら、何か人生を明るくできるヒントになり得るかもしれません。
性格や才能についてさらにまとめていきます。
性格診断よりも大事なこと
自分の性格は思い込みだったり、周りから思い込まされている部分も多い。
親や友達から、あなたは自己中心的な人だと言われたとします。子供だったらショックを受けるでしょう。親が言うんだから自分はそんな人間なんだ。友達からそう思われているなんて。
しかしそれは正しいのか。
相手が言ったことは、相手の主観から出てきた感想や分析ではないか。少なくとも100人とかの統計を取った、客観的なデータから導き出されたものではない。別の人に聞いたら、違う回答が返ってくるかもしれません。
たまたま急いでたり機嫌が悪くて、そんな行動をしてしまったのかもしれない。誰だって自分が良ければそれでいいという、自己中心的心理は存在します。そこを強調して指摘された可能性もある。
あるいはそう思わせて、あなたを自分の思うような性格に仕立てたいという下心があるのかも。ある種、都合のいい人にしたい思惑からの言葉であったりなかったり(なかなか意地悪な見方ですが)。
こう見るなら、割と思い込まされることで性格は作られる側面がある。逆に言えば、そこから離れるようにすると自分の性格は見つめやすくなる。
自分はこれが好き。幼い頃からそうだったし、得意といえるものだから。これは嫌い。それはそんな経験があるから。でもこうだと好きになれるかもしれない。
本やネットでよく見る性格診断。これも確かに自分の性格を知る上では役立ちます。アンケート形式で進めていくことで自分のタイプは見えてくる。当たっている部分も多いと思える。
私も暇なときにやります。こんな選択をする人は自分と似ているんだとか、気付くこともあったりする。暇つぶしとしてはちょうどいい感覚でやります。好きかもしれません。
性格を知ることも大事。でもそれよりは自分がどんな性格になったり、ありたいかを考えた方が建設的じゃないか。環境で変えられるなら、こうだからと決めつけるのではなく、こうなりたい!という思いから始めていく。
人と話せるようになりたいなら、短くてもいいから誰かと話す。最初は挨拶だけでもいい。1日誰とも話せず話さなかった人が、1日1日と話す人や話す量が増えていく。
話す内に自分の変化に気づくでしょう。いわば小さな成功体験が積み重なっていき、それが自信となる。その自信が性格に影響を与える。
性格診断より、どんな性格になりたいか。これを考えて目指す方が大切だと思います。
才能を見つけたいなら・・・
性格は割と見つけやすい。では才能はどうでしょう。ちょっと難しくなるかな。
無料や有料の才能診断ツールは存在します。
リクナビネクストの「グッドポイント診断」や性格も見れる「mgram」は無料で使える。無料ですが、結構当たっていると感じる回答が来ます。自分では気づけなかった要素も見れるのはいい発見ですね。
有料だと有名なものは「ストレングスファインダー」です。アメリカで長年才能について研究している機関が出している才能診断ツール。本の購入やネットからのツールの購入で、才能の診断ができます。
有料なので、より詳しい分析が返ってくる。
自分が明確に強みや得意としている要素。これを言葉にしてくれるので、払ったお金に見合うリターンだと感じる。職業選択だけでなく、どういった場面や場所で光るかを教えてくれます。
ツールを使って面白い所が、何年か後にまた診断してみると違う結果が出てくること。自分なんて変わらない。才能なんて特にそうだと思っていると、いい意味で裏切られます。私も2回目を試した時に驚きましたし。
ツールはお手軽で才能を見れる。無料ならお金もかからないので、試してみるのは面白いと思いますよ。
あるいは人に聞くのもいいかと。身近で聞けるならそれもいいですし、才能診断を売り物にしているプロに聞いてみるのも助けになります。自分で直接見るのは、ちょっと難しいのが才能という感じかな。
ツールや他人の力を借りる。才能を見つけるなら、こうすると早く分かる。
才能とはおそらく・・・
私は才能とは、「ごく自然にできたり、続けられたり、熱意をもてること」だと考えています。
人は誰しもが才能を持つ。それは誰にだって、好きだったり続けている習慣や行動、情熱を傾けられる対象があるから。それをやるのは当たり前で苦ではない。しないと居心地が悪いとさえ感じるものがある。
そういったものがない人はいない(多分)。それを発掘して発見するのが、才能診断じゃないだろうか。
上手いか下手かはあるにせよ、経験で克服できたり、違う出し方で評価が変わったりする。才能は私たちが思っているより、もっと身近で深いもの。こう捉えるのが、才能の本質ではないかと思う。
それでは本記事もお読み頂き、ありがとうございます。